慢性腎臓病(CKD)5、慢性腎臓病(CKD)の頻度
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◆ やぶ医師のひとりごと 第 117 号 ◆
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H20年3月28日発行 購読者数 12541名
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<本日のテーマ> 慢性腎臓病(CKD)5
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「慢性腎臓病(CKD)」について。
まずは、先週までの復習。
●慢性腎臓病(CKD)とは
腎臓の機能が低下し、腎臓が障害をおこした状態(病態)。
●慢性腎臓病(CKD)とは、具体的には、
おしっこ(尿)からタンパクが出たり、
腎臓の機能が100点満点中60点以下、
というのが3ヶ月以上続いた状態(病態)。
●慢性腎臓病(CKD)の原因となる病気には、
糖尿病、高血圧、慢性腎炎等がある。
●慢性腎臓病(CKD)のステージ分類
ステージ 重症度 進行度による分類
GFR(mL/min/1.73m2)
1 腎障害はあるが、GFRは正常または亢進 ≧90
2 GFR軽度低下 60-89
3 GFR中等度低下 30-59
4 GFR高度低下 15-29
5 腎不全 <15
(下線は乗数です。m2はmの2乗です。)
●慢性腎臓病(CKD)の重要性
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓が悪いというだけでなく、
動脈硬化が進んで、心筋梗塞や脳卒中になりやすくなる。
「慢性腎臓病(CKD)」っていうのは、病気ではなく、
腎臓の機能が低下している状態(病態)です。
具体的には、腎臓の機能が100点満点中60点以下、
というのが3ヶ月以上続いた状態なんですわ。
そいで、どのくらい腎臓が悪いのか、っていうのは、
100点満点で何点か、って事でステージ分けされるんですよ。
しかーも。
腎臓が悪いと、動脈硬化が進んで、心筋梗塞とか脳卒中とか
恐ろしい病気になりやすくなっちゃうよ、って話でした。
そいじゃあ、慢性腎臓病(CKD)になったら何が悪いの、
って話は先週まででしたから良いとして。
慢性腎臓病(CKD)の人ってどのくらいいるの?
って事で、今日は「慢性腎臓病(CKD)の頻度」
についてです。
●慢性腎臓病(CKD)の頻度
日本腎臓学会っていう、学会があって。
その中に「慢性腎臓病(CKD)対策委員会疫学WG」
っていうのがあるんですよ。
今回は、CKD診療ガイドの中に書いてあったデーターから
引用させて貰いますね。
健康診断の結果を基に、予測したものです。
○日本人の慢性腎臓病(CKD)の推計
GFR 60以上 8392万人 (81.3%)
GFR 50~59 1508万人 (14.6%)
GFR 49以下 418万人 (4.1%)
はい、これも解説。
GFRっていうのは、日本語で言うと「糸球体濾過量」。
これは、腎臓が時間あたりに処理できる尿量の事で、
要は、腎臓の機能を表すって思えば良いですよ。
GFRっていうのは、おおざっぱに言うと、
100点満点で表す事ができて。
60点以上だと、合格点。
59点以下だと、落第、というか腎臓の機能が悪いよ。
って事でしたね。
これは、先週までの復習です。
この表を見ると、
> GFR 60以上 8392万人 (81.3%)
GFR 60以上って事ですから。
要は、合格点というか、腎臓の機能は正常。
そういう人が、日本では8392万人、81.3%いますよ。
って事です。
それは良いとして、こっから大事。
> GFR 50~59 1508万人 (14.6%)
59点以下だから、ぎりぎり落第なんだけど。
もう少しで合格点だよ。
腎臓の機能がちょっとだけ悪いよ、って事ですね。
GFR 50~59 っていうのは。
厳密に定義から言うと、ちょっとだけ腎臓の機能が悪くても、
慢性腎臓病(CKD)っていうはずなんですけどねー。
でも、1508万人もいるから。
いくらなんでも多すぎかな、って事で。
一応、慢性腎臓病(CKD)予備軍
って言われているみたいっす。
ちょっと腎臓の機能が悪い人たちは。
そして、その次
> GFR 49以下 418万人 (4.1%)
これ、合格点まで10点以上足りないよ。
って人たちですわ、簡単に言うと。
そこそこ腎臓の機能が悪い。
そういう人たちが日本では418万人。
割合で言うと、4.1%もいますよ、って事です。
アメリカのデーターでは、GFRが60以下。
要は60点以下の人の割合は、4.6%です。
日本だと、厳密にGFRを60以下、
100点満点で60点以下で区切ってしまうと。
14.6+4.1=18.7%
約2000万人もいる事になってしまいますからね。
慢性腎臓病(CKD)の人が。
さすがに、これじゃあいくらなんでも多すぎるかな。
って事で、「CKD診療ガイド」なんかでは、
慢性腎臓病(CKD)の人は、日本で約400万人います。
って書かれているようです。
参照:CKD診療ガイド
http://www.jsn.or.jp/jsn_new/news/CKDmokuji.htm
日本人っていうのは、腎臓の機能があんまり良くないんですよ。
元々、そういう「人種」なんです。
でも、それで世界一の寿命だから。
どうやら、直接それと寿命とは関係ないようです。
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)っていうのは、
米国腎臓財団が2002年に提唱したもので。
糸球体濾過量(GFR)が60ml/分/1.73m2未満
っていうのは、世界共通なんですよ。
腎機能が100点満点で、60点以下って事ね、これ。
だから、日本人は元々腎臓の機能が悪い人種だから、
日本人だけ、50点までは良い事にしてね!
って言うわけにはいかないんですよ。
厳密に言うと日本人の慢性腎臓病(CKD)の数は、
約2000万人、って事になるんだけど。
さすがに、そりゃ多すぎすだろ、って事で、
ちょっとお茶を濁して、日本人の場合、
慢性腎臓病(CKD)の人は、約400万人。
慢性腎臓病(CKD)予備軍を含めると2000万人。
っていう言い方をしているようです。
はっきり言って、「いかさま」ですね、これ。
まあ、「メタボリックシンドローム」の
腹囲の基準でもそうですけどね。
細かい数字とかは、こだわらなくっても良いけど。
でも、慢性腎臓病(CKD)の人は、
思ったより結構たくさんいるって事です。
糖尿病の患者数が、約700万人。
予備軍含めると2000万人ちょっとかな。
糖尿病と匹敵する位、数が多い病気というか病態で、
しかも心筋梗塞とか脳卒中とか、重大な病気にも
なる確率が高くなる病気だから。
きちんと気をつけないと駄目だよ。
って事だけ理解してくれれば、それで良いですよ。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきますね!
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【今日のまとめ】
●慢性腎臓病(CKD)の頻度
○厳密に慢性腎臓病(CKD)の定義を当てはめると、
日本には慢性腎臓病(CKD)の患者数は約2000万人。
○ただし、日本人というのは、元々腎臓が悪い人種なので、
それを考慮すると、約400万人の患者がいる。
○糖尿病の患者は約700万人なので、
それに匹敵するくらいの患者がいる事になる。
参照:CKD診療ガイド
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