心不全9、心不全の原因となる病気3
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◆ やぶ医師のひとりごと 第 97 号 ◆
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H19年11月9日発行 購読者数 11145名
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<本日のテーマ> 心不全9(心不全の原因となる病気3)
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今日も「心不全の原因となる病気」についてです。
まずは、先週までの復習。
●心不全とは
○「心不全」というのは、「病気」ではなく、「病態」。
○心不全の原因となる「病気」として、
心筋梗塞や心臓弁膜症、心筋症などがある。
●心臓の役割
○「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしている。
○心臓のポンプ機能が低下した状態の事を「心不全」という。
●心不全の症状
1)心臓(ポンプ)の出力低下による症状
○疲れやすい、頻脈、動悸
○息切れなど運動能力の低下
2)肺のうっ血による症状
○呼吸困難、起座呼吸
○咳、痰(ピンク色の泡状の痰)
3)腎臓のうっ血による症状
○尿量が減り、体重が増える。
4)消化器のうっ血による症状
○食欲低下、吐き気、お腹の張り
5)全身のうっ血による症状
○体のむくみ
●心不全の重症度(NYHA分類)
○NYHA I~IV度
I度が軽症で、IV度が重症
●心不全の原因となる病気
1,心筋不全によるもの
1)心筋自体の障害
○心筋梗塞、心筋症、心筋炎、老化心
2)全身の低酸素に続発するもの
○貧血
○慢性の肺疾患など
3)全身のホルモン、代謝異常
○甲状腺機能亢進症、低下症、
○脚気など
「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしています。
で、そのポンプの機能が低下した状態が「心不全」です。
「心不全の症状」として、疲れやすさや、息切れ、動悸、
呼吸困難、咳、痰などがあります。
心不全の原因となる病気には、心筋梗塞、心筋症、
老化心など、心筋そのものに原因がある病気。
そして、貧血や慢性の肺疾患などに続発するもの。
甲状腺機能低下症や亢進症、脚気などホルモンや代謝が
原因となるものがある、って話でした。
今日は、心不全の原因となる病気のうち、
心筋不全によるもの以外の病気についてです。
●心不全の原因となる病気
2.機械的障害
○心臓弁膜症
心臓には、4つの部屋があるんですよ。
たしか、中学生くらいの時に、理科の授業で習っているはずです。
覚えてるかなー。
左心房、右心房、左心室、右心室の4つです。
心臓っていうのは、血液を体中に送り出す
「ポンプ」の役割をしている、ってのは以前に書いた通りですが。
ただ、心臓が拍動して、血液を送り出すだけだったら、
送り出した血液が戻って来ちゃうんですよ。
心臓に。
せっかく血液を送り出したのに、戻ってきたら、
あんまり意味ないですよね。
だから、そうならないように、心臓の各部屋には、
逆流を防止する為の、「弁」っていうのがついています。
絵で見ると、こんな感じですね。
→ 「心臓弁膜症サイト」:心臓の事
http://www.benmakusho.jp/about/01-heart/index.html
心臓には部屋が4つあって、心臓の弁も4つあります。
本当は、それぞれに別の機能があるんですけど。
細かい話は置いといて、おおざっぱに話をしていきます。
心臓の弁が、ゆるんでいる病気の事を、
「○○弁閉鎖不全症」って言います。
「○○」には、4種類の弁の名前が入ります。
ドアの扉が、ゆるんでいるようなイメージです。
ドアがきちんと閉まってないと、隙間から風が入ってきて、
部屋の中が寒くなってしまいますよね。
そんな感じで、「弁」がきちんと閉じていない、「閉鎖不全症」
の場合でも、隙間から血液が逆流しちゃうんですよ。
例えば、一回心臓が拍動すると、100ccの血液を送り出す。
その時の心臓のエネルギーを100とします。
普通だったら、100ccの血液を送り出すのに、
100のエネルギーで十分なのですけど。
弁がゆるんでいて、100のうち30が逆流する場合。
次の拍動で、100の血液を体に送り出すためには、
約130cc血液を拍出しなければならないんですよ。
だって、30ccは戻って来ちゃいますからね。
そうすると、毎回100ccの血液を体に送り出すために、
心臓は130のエネルギーを使う事になるので。
余計なエネルギーを使う事になります。
そういう事がずーっと続いていると、心臓が疲れてきて、
だんだん心臓が弱って来ちゃうんですよ。
その結果「心不全」になります。
心臓の弁の「閉まり」が悪い病気を「○○弁閉鎖不全症」
っていうんですけど。
逆に心臓の弁が、十分に「開かない」病気の事を、
「○○弁狭窄症」って言います。
古い鉄のドアがあって、さび付いていると、
力一杯ドアを押さないと、ドアが開きませんよね。
こんな風に心臓の弁も、開き具合が悪いと、
心臓が血液を送り出すのに、余計なエネルギーがいるんですよ。
その結果、心臓が疲れてきて、「心不全」になります。
○先天性心疾患
生まれたときからある病気の事を、「先天性疾患」っていいます。
心臓の場合は、生まれつき(先天性)
心臓に穴のある病気の事を言います。
心臓に穴があるっていっても、心臓の「外」
に穴があいてるんじゃなくて、
「心臓の中」、心臓の部屋と部屋の間に穴がある病気です。
具体的には、左心房と右心房の間に穴がある、
「心房中隔欠損症」。
左心房と右心房の間に穴がある「心室中隔欠損症」などです。
「○○弁閉鎖不全症」の時と同様に、穴が空いていると、
心室ポンプの送り出す血液量が増えちゃいますから。
その分、余計なエネルギーが必要になって、「心不全」になります。
○心臓を包む膜の病気
心臓の周りに、心臓を包む膜があるんですよ。
これを「心膜」って言います。
心臓の膜だから、「心膜」。
そのまんまですね。
「収縮性心外膜炎」という、心臓の外側にある心膜に
炎症が起こって、硬くなる病気。
こういう場合は、心臓が広がりにくくなりますから。
結果として、心不全になっちゃいます。
また、心臓と心膜の間に、水や血がたくさん貯まる病気。
こういうのを「心タンポナーデ」って言うんですけど。
この場合でも、心臓が広がりづらくなって、心不全になります。
そんなわけで、今日も「心不全の原因となる病気」についてでした。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきますね!
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【今日のまとめ】
●心不全の原因となる病気
2.機械的障害
○心臓弁膜症
「○○弁閉鎖不全症」
「○○弁狭窄症」
○心臓を包む膜の病気
「収縮性心外膜炎」
「心タンポナーデ」
参照:「札幌厚生病院循環器科」:心不全とその治療
http://www.gik.gr.jp/~skj/chf/chf.php3
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