心不全14、急性心不全の治療1
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◆ やぶ医師のひとりごと 第 102 号 ◆
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H19年12月14日発行 購読者数 11475名
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<本日のテーマ> 心不全14(心不全の治療2)
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今日も「心不全の治療」についてです。
まずは、先週までの復習。
●心不全とは
○「心不全」というのは、「病気」ではなく、「病態」。
●心臓の役割
○「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしている。
○心臓のポンプ機能が低下した状態の事を「心不全」という。
●心不全の症状
1)心臓(ポンプ)の出力低下による症状
○疲れやすい、頻脈、動悸、息切れなど運動能力の低下
2)肺のうっ血による症状
○呼吸困難、起座呼吸、咳、痰(ピンク色の泡状の痰)
3)腎臓のうっ血による症状
○尿量が減り、体重が増える。
4)消化器のうっ血による症状
○食欲低下、吐き気、お腹の張り
5)全身のうっ血による症状
○体のむくみ
●心不全の重症度(NYHA分類)
○NYHA I~IV度
I度が軽症で、IV度が重症
●心不全の原因となる病気
1,心筋不全によるもの
1)心筋自体の障害
○心筋梗塞、心筋症、心筋炎、老化心
2)全身の低酸素に続発するもの
○貧血、慢性の肺疾患など
3)全身のホルモン、代謝異常
○甲状腺機能亢進症、低下症、脚気など
2.機械的障害
○心臓弁膜症
「○○弁閉鎖不全症」、「○○弁狭窄症」
○先天性心疾患(生まれつきの心臓の病気)
○心臓を包む膜の病気
「収縮性心外膜炎」、「心タンポナーデ」
○高血圧
1)長期の徐脈(遅い脈)
○洞機能不全症候群、完全房室ブロックなど
2)長期の頻脈(速い脈)
○心房細動、発作性上室性頻拍症など
●心不全の検査
1)胸部レントゲン写真
2)心電図
3)血液検査
4)心臓超音波検査(心エコー)
5)24時間心電図(ホルター心電図)
6)心臓核医学検査
7)トレッドミル運動負荷検査
8)心臓カテーテル検査
9)胸部CT、MRI
●心不全の治療
○「体の中に貯まった水分を、体の外に出してあげる。」
というのが、心不全の治療の基本。
○「急性心不全」と「慢性心不全」があって、
それぞれに対して、治療内容が異なる。
○「心不全そのもの」の治療に加えて、
「心不全の原因となる病気」の治療もある。
「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしています。
で、そのポンプの機能が低下した状態が「心不全」です。
「心不全の症状」として、疲れやすさや、息切れ、動悸、
呼吸困難、咳、痰などがあります。
そして心不全の原因となる病気には、心筋梗塞、心臓弁膜症、
高血圧、徐脈や頻脈等の不整脈があるんですよ。
心不全って診断するための検査には、
胸部レントゲンや心エコー、心臓カテーテル検査、
胸部CT,MRIなどがあるんです。
先週は、心不全には「急性心不全」と「慢性心不全」があって、
それぞれに対して、治療内容が異なるんです。
でも、心不全の治療の基本は、
「体の中に貯まった水分を、体の外に出してあげること。」
という話でした。
じゃあ、具体的に心不全の時には、どんな治療をするのか。
って事で、今日は「心不全の治療」の続きです。
●心不全の治療
心不全っていうのは、「病気」ではなくて、
心臓の機能が落ちた「病態」なんです。
心臓のポンプ機能が落ちて、結果として体の中に水が貯まった状態。
これが心不全です。
こういうのを医学用語で「うっ血」って言うんでしたね。
心不全の中でも、「急に」心不全になるものを、
「急性心不全」って言います。
そのまんまっすね(笑)
心不全の症状っていうのは、以前にも書いたし、
復習の為に、このメルマガの最初にも書いてあるんだけど。
呼吸が苦しくなったり、体がむくんだりするんですよ。
何日か前から、体重が増えて、動くと息が切れる、
とか、足とか顔がむくむ。
って言って、病院に来る人が多いですかね。
ものすごく悪い場合には、呼吸が苦しくてどうしようもなくて、
救急車で来る、って場合も結構あります。
「急性」、「急に」っていうのは、おおざっぱに言うと、
何日とか、1,2週間とか。
その位で悪くなる心不全を「急性心不全」って言います。
何ヶ月とか、何年とかもしくは一時的には急性心不全だけど、
それが落ち着いた後は、「慢性心不全」って言います。
で、今回は急に息が苦しくなるとか、むくんでくる、
とかいう方の、「急性心不全」の治療についてです。
●急性心不全の治療
「急性」心不全ですから。
「急に」、胸が苦しくなったり、息が苦しくなるんです。
何故かっていうと、急に水が貯まるからですね。
特に「肺」に水が貯まると、非常に苦しくなります。
肺っていうのは、酸素を取り込む臓器だから。
その肺が水浸しになると、十分に酸素が取り込めなくなるので、
息が苦しくなります。
酸素が足りないから当たり前ですね。
こういう風に、「肺が水浸し」になる事を
医学用語で、「肺水腫」って言います。
肺をはじめ、全身に水が貯まる病気が心不全です。
それが急にきて、急に苦しくなるのが、「急性心不全」。
ですから、体内に貯まった水を外に出す治療。
これが、急性心不全の治療の中心になります。
体の外に水を出す行為は、「おしっこ(尿)をする」
って事は、先週書きましたね。
強制的におしっこ(尿)を出すのが、特に急性心不全では、
メインの治療になります。
使う薬は、「利尿薬(利尿剤)」って薬です。
オリンピックのドーピングとかで、聞いたことあるかな?
ダイエットなんかでも、たまーに出るかもしれませんね。
「利尿薬(利尿剤)」っていう薬。
まあ、基本的にはそれと同じ様な薬です。
利尿剤などの薬には、点滴と内服薬(飲み薬)があります。
点滴の薬と飲み薬の違いはどこか、っていうと。
点滴の薬は、「直接血管の中(血液)に入れる」。
飲み薬は、「腸で吸収されて、それが血液に行く」。
っていう違いがあります。
薬が血液中に入って、血液中の薬の濃度「血中濃度」
が上がって、それが体中に運ばれて効くんですよ。
ほとんどの薬は。
利尿剤っていうのは、おしっこ(尿)を出す薬です。
尿を造る臓器っていうのは「腎臓」です。
薬が腎臓まで届いて、尿がたくさん出るようになります。
心不全っていうのは、「全身」に水が貯まる病気なんです。
肺に水が貯まると、「息が苦しい」っていう症状が出るのですが、
同時に他のところにも、水が貯まるんですよ。
全身に水が貯まるから、「腸」にも水が貯まって、
うっ血するんです。
そしたら、腸の働きが悪くなって、食べ物とか薬を
吸収する力が弱くなってしまうんですよ。
吸収が悪くなれば、薬の効きも悪くなるから。
すごく状態の悪い心不全の場合は、飲み薬よりも
点滴、注射の治療が中心になります。
って事で、今日は「急性心不全の治療」についてでした。
今日は少し専門的な内容が多かったかな。
おおざっぱで良いので、【今日のまとめ】は読んでね!
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきますね!
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【今日のまとめ】
●急性心不全の治療
○メインになるのは利尿剤(おしっこを強制的に出す薬)
○利尿剤(利尿薬)には、点滴と飲み薬がある
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