心不全12、心不全の検査2
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◆ やぶ医師のひとりごと 第 100 号 ◆
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H19年11月30日発行 購読者数 11191名
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<本日のテーマ> 心不全12(心不全の検査2)
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今日も「心不全の検査」についてです。
まずは、先週までの復習。
●心不全とは
○「心不全」というのは、「病気」ではなく、「病態」。
●心臓の役割
○「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしている。
○心臓のポンプ機能が低下した状態の事を「心不全」という。
●心不全の症状
1)心臓(ポンプ)の出力低下による症状
○疲れやすい、頻脈、動悸、息切れなど運動能力の低下
2)肺のうっ血による症状
○呼吸困難、起座呼吸、咳、痰(ピンク色の泡状の痰)
3)腎臓のうっ血による症状
○尿量が減り、体重が増える。
4)消化器のうっ血による症状
○食欲低下、吐き気、お腹の張り
5)全身のうっ血による症状
○体のむくみ
●心不全の重症度(NYHA分類)
○NYHA I~IV度
I度が軽症で、IV度が重症
●心不全の原因となる病気
1,心筋不全によるもの
1)心筋自体の障害
○心筋梗塞、心筋症、心筋炎、老化心
2)全身の低酸素に続発するもの
○貧血、慢性の肺疾患など
3)全身のホルモン、代謝異常
○甲状腺機能亢進症、低下症、脚気など
2.機械的障害
○心臓弁膜症
「○○弁閉鎖不全症」、「○○弁狭窄症」
○先天性心疾患(生まれつきの心臓の病気)
○心臓を包む膜の病気
「収縮性心外膜炎」、「心タンポナーデ」
○高血圧
1)長期の徐脈(遅い脈)
○洞機能不全症候群、完全房室ブロックなど
2)長期の頻脈(速い脈)
○心房細動、発作性上室性頻拍症など
●心不全の検査
1)胸部レントゲン写真
2)心電図
3)血液検査
「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしています。
で、そのポンプの機能が低下した状態が「心不全」です。
「心不全の症状」として、疲れやすさや、息切れ、動悸、
呼吸困難、咳、痰などがあります。
そして心不全の原因となる病気には、心筋梗塞、心臓弁膜症、
高血圧、徐脈や頻脈等の不整脈があるんですよ。
そいで、先週は心不全って診断するための検査には、
胸部レントゲンや心電図、採血などがあるって話でした。
そんなわけで今日は、「心不全の検査」の続きです。
●心不全の検査
4)心臓超音波検査(心エコー)
超音波検査っていうのは、別名「エコー」です。
エコーの検査で一番有名なのは、
「産科」で使う、「胎児」とかを見るエコーですね。
お腹の中で、赤ちゃんが動いている様子が、
リアルタイムでわかります。
レントゲンとかCTっていうのは、放射線を使うから。
妊婦さんには、使えないんですよ。
胎児に影響が出ると困るからね。
でも、エコーだと超音波を使うので、そういう心配がないので、
安心して妊婦さんにも使えます。
それの心臓版が「心エコー」っていわれる検査。
心臓超音波検査です。
産科で使うエコーだと、胎児が動いている様子が見えますけど。
心エコーだと、心臓が動いている様子を見る事ができます。
「心不全」っていうのは、心臓の機能が落ちている状態。
って事ですから。
心不全の場合、たいてい「心臓の動き」が悪いんですよ。
心エコー(心臓超音波検査)では、心臓の動きそのものを
観察する事ができますから。
「心不全の診断」ができます。
また、心臓弁膜症っていうのは、心不全の原因になる病気ですけど。
心臓の弁の開きが悪いのか、閉じ方が硬いのか、とか。
心臓の中の圧力が高いのか、とか。
そういった事で、心臓弁膜症の診断もできます。
更に、心筋梗塞になると、心臓の一部だけ動きが悪くなるんですが、
これも、心臓の動きそのものを見る検査なので、診断できます。
心筋症っていうのも、心不全の原因になる病気なんですけど。
心筋症って、心臓の筋肉が異常に厚い病気だったり、
心臓の筋肉が異常に薄くて、心臓が大きい病気の事なので。
これに関しても、診断する事ができます。
心エコーっていうのは、心不全があるかないか、って診断も、
心不全の原因となる病気も見つける事ができる検査です。
心臓の動きそのものも見るので、どの程度動きが悪いのか、
って意味では重症度に関しても診断ができます。
ベッドサイドでもできるし、痛い検査でもないし、
放射線の被曝の問題もないので、繰り返しできますから。
「心不全」、って病気では、「最強の検査」
と言っても良いくらいの検査です。
5)24時間心電図(ホルター心電図)
前回のメルマガで書きましたけど。
心電図って検査をすれば、不整脈があるか、って事がわかります。
ただ、心電図っていう検査は、数十秒か、
せいぜい一分くらいの検査なんですよ。
だから、昨日の夜は不整脈があったけど、今はない。
っていう人の心電図を撮っても、その時に不整脈が出ていなければ、
不整脈かどうか、って診断はできません。
そういうのを解決する為に、24時間心電図っていうのがあります。
24時間、携帯型の心電図をつけっぱなしにして行う検査です。
入院中にも、もちろんできますけど。
外来に一回来て貰って、携帯型の心電図をつけて、
家に帰って、次の日にはずす、ってやりかたもできます。
もちろん、お風呂には入れませんけど。
それ以外には、特に制限はありません。
これだと、夜に不整脈が起こった時とか、長い時間
不整脈が続いているとかも、診断する事ができます。
ただ、一ヶ月に一回しか不整脈がないって人は、
丸一日しかつけていないので、診断できない場合が多いです。
これも、心電図と同じで、心不全の診断そのものはできない検査です。
あくまでも、心不全の原因となる不整脈があるかどうか、
って事を調べる検査です。
6)心臓核医学検査
「核医学」っていうのは、あんまり聞かない言葉だと思います。
高校生くらいの時に、化学の授業で「放射性同位元素」
って習ったの、覚えていますか?
「核医学」っていうのは、「目印」のついた物質
「放射性同位元素」を体の中に注射するような検査の事です。
そいで、その目印のついた物質(放射性同位元素)が、
心臓に貯まるので、それを見る検査です。
心臓の動きが良いとか、一部にその物質が貯まらないから、
そこに行く血管(冠動脈)が狭いんじゃないか、
それなら狭心症、心筋梗塞だろう。
というような診断をする事ができます。
非常に有用な検査なのですけど。
特殊な薬剤を使うし、検査の機械も大がかりで特殊なので、
大きな病院じゃないとできない検査です。
7)トレッドミル運動負荷検査
心電図っていうのは、「安静」の時に行う検査なのですけど。
これは、走っている時に、心電図を撮る検査です。
「トレッドミル」っていうのは、「ルームランナー」みたいな、
ベルトコンベアーのような物で、家の中でも走る事ができる機械です。
8)心臓カテーテル検査
心臓の中、もしくは心臓の表面にある血管(冠動脈)に、
直接造影剤を流して行う検査です。
心臓の中に造影剤を入れたのを見れば、心臓の動きがわかるので、
心不全かどうかの診断ができます。
弁からの逆流の有無もわかるので、心臓弁膜症も診断できます。
また、心臓の表面の血管(冠動脈)が細い病気(狭心症)、
冠動脈が詰まった病気(心筋梗塞)の診断もできます。
カテーテルっていう器具を使って、心臓の中、
及び表面の血管に直接造影剤を流す検査なので、
動脈を刺さなければならない検査なんですよ。
心臓に直接カテーテルっていう管を持っていきますから、
ある程度の危険度のある検査です。
9)胸部CT、MRI
最近は胸部CTもMRIも、機械が進歩したので。
カテーテル検査のように、直接カテーテルを心臓まで
持っていかなくても、心臓の動きがわかるようになりました。
まだカテーテル検査ほどは精度が高くないんですけど、
危険度はほとんどない検査なので。
最新のCTやMRIだと、心臓の動きや冠動脈が狭いか、
心不全の診断や原因があるかの診断ができるようになりました。
って事で、今日は「心不全の検査」についてでした。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきますね!
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【今日のまとめ】
●心不全の検査
4)心臓超音波検査(心エコー)
5)24時間心電図(ホルター心電図)
6)心臓核医学検査
7)トレッドミル運動負荷検査
8)心臓カテーテル検査
9)胸部CT、MRI
参照:「札幌厚生病院循環器科」:心不全とその治療
http://www.gik.gr.jp/~skj/chf/chf.php3
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