心不全11、心不全の検査
スポンサードリンク━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ やぶ医師のひとりごと 第 99 号 ◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
H19年11月23日発行 購読者数 11161名
────────────────────────────────
ブログ: http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/
__________________________
<本日のテーマ> 心不全11(心不全の検査1)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
今日は「心不全の検査」についてです。
まずは、先週までの復習。
●心不全とは
○「心不全」というのは、「病気」ではなく、「病態」。
●心臓の役割
○「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしている。
○心臓のポンプ機能が低下した状態の事を「心不全」という。
●心不全の症状
1)心臓(ポンプ)の出力低下による症状
○疲れやすい、頻脈、動悸、息切れなど運動能力の低下
2)肺のうっ血による症状
○呼吸困難、起座呼吸、咳、痰(ピンク色の泡状の痰)
3)腎臓のうっ血による症状
○尿量が減り、体重が増える。
4)消化器のうっ血による症状
○食欲低下、吐き気、お腹の張り
5)全身のうっ血による症状
○体のむくみ
●心不全の重症度(NYHA分類)
○NYHA I~IV度
I度が軽症で、IV度が重症
●心不全の原因となる病気
1,心筋不全によるもの
1)心筋自体の障害
○心筋梗塞、心筋症、心筋炎、老化心
2)全身の低酸素に続発するもの
○貧血、慢性の肺疾患など
3)全身のホルモン、代謝異常
○甲状腺機能亢進症、低下症、脚気など
2.機械的障害
○心臓弁膜症
「○○弁閉鎖不全症」、「○○弁狭窄症」
○先天性心疾患(生まれつきの心臓の病気)
○心臓を包む膜の病気
「収縮性心外膜炎」、「心タンポナーデ」
○高血圧
1)長期の徐脈(遅い脈)
○洞機能不全症候群
○完全房室ブロックなど
2)長期の頻脈(速い脈)
○心房細動
○発作性上室性頻拍症など
「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしています。
で、そのポンプの機能が低下した状態が「心不全」です。
「心不全の症状」として、疲れやすさや、息切れ、動悸、
呼吸困難、咳、痰などがあります。
そして心不全の原因となる病気には、心筋梗塞、心臓弁膜症、
高血圧、徐脈や頻脈等の不整脈がある、って話でした。
そいじゃあ今日は、心不全って診断するのには、
どんな検査をするの?
って事で、「心不全の検査」についてです。
●心不全の検査
心不全の検査っていっても、いろいろあるんですけど。
おおざっぱに、「心不全があるか、ないか」
って事を調べる検査。
それと「心不全の原因となる病気があるか、ないか」
を調べる検査があります。
まあ、両方同時にわかる検査もあるんですけどね。
1)胸部レントゲン写真
胸のレントゲン写真っていうのは、
病院の外来とかでも出来る簡単な検査です。
健康診断なんかでもやりますよね。
胸部レントゲン写真っていうのは、
おおざっぱに言うと、心臓と肺の「影」を見る検査です。
心不全の症状の時に書いた事ですけど。
心不全っていうのは、心臓の機能が落ちて、
心臓とか肺とか、全身に水が貯まる病気です。
こういうのを医学用語で「うっ血」って言うのでしたね。
胸部レントゲン写真っていうのは、「心臓」や「肺」
の影を見る検査出るから。
肺に水が貯まっていれば、わかります。
まあ、少量しか貯まっていなければわかんないんですけどね。
心不全っていうのは心臓の機能が落ちて、
心臓に戻ってくる血液を十分に送り出せない状態ですので。
心不全の場合、「心臓が大きくなる」んですよ。
心臓の影を見る胸部レントゲン写真を見れば、
心臓の大きさはだいたいわかります。
元々心臓が大きい人もいるし、元々はすごーく心臓が小さくて、
でも、心不全になって普通くらいの大きさになった。
という人もいますから。
以前の胸部レントゲン写真がある場合は、それと比べる、
って事が非常に重要になります。
まあ、それはどの病気でも言える事なんですけどね。
他にもいろいろわかるんですけど、細かい事は省略しましょう。
2)心電図
心電図そのものを見て「心不全」って診断する事はできません。
ただ、「心不全の原因となる病気」を診断する事はできます。
「心不全の原因となる病気」の中でも、
「心筋梗塞」、「不整脈(すごく遅い脈:徐脈、すごく速い脈:頻脈)」
等は、心電図を撮れば診断する事ができる場合が多いです。
「心筋症」、「高血圧性の心肥大」なんかも、
心電図を見て疑う事はできます。
いずれにせよ、心電図単独では「心不全」という
「診断」はする事ができませんので。
他の検査や症状等と総合して判断する事になります。
3)血液検査
その名の通り、血を採って調べる検査なんですけど。
血液中の「BNP」っていうのを測れば、
心不全かどうかって事がわかります。
「BNP」っていいうのは「B型ナトリウム利尿ペプチド」の略です。
心臓に負担がかかると、「BNP」の値が高くなるんですよ。
「心不全」っていうのは、すごーく心臓に負担がかかって、
その結果心臓の機能が落ちて、息が苦しいとか、
そういう症状が出る病態の事ですからね。
おおざっぱに言うと、BNPの値が高ければ高いほど、
重症の心不全と言う事ができます。
BNPっていうのは、腎不全があると高くなっちゃうし。
心不全の重症度っていうのは、前にもやったNYHA分類とか、
そういう基準もあるので。
BNPの値が高ければ高いほど重症の心不全、
って事は必ずしも言えないのですけど。
だいたい、心不全の重症度と相関するって言われています。
もちろん、今日書いた検査をする前に「問診」って言って、
患者の症状とか話を聞いたり。
聴診っていって、胸や背中の音を聴いたり。
体に浮腫みがないか、って事を診て。
それで心不全がありそうだな、って思ったら
こういう検査を追加するんですよ。
って事で、今日は「心不全の検査」についてでした。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきますね!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【今日のまとめ】
●心不全の検査
1)胸部レントゲン写真
2)心電図
3)血液検査
参照:「札幌厚生病院循環器科」:心不全とその治療
http://www.gik.gr.jp/~skj/chf/chf.php3
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Powered by
Movable Type 3.35
