心不全10、心不全の原因となる病気4
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◆ やぶ医師のひとりごと 第 98 号 ◆
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H19年11月16日発行 購読者数 11159名
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<本日のテーマ> 心不全10(心不全の原因となる病気4)
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今日も「心不全の原因となる病気」についてです。
まずは、先週までの復習。
●心不全とは
○「心不全」というのは、「病気」ではなく、「病態」。
●心臓の役割
○「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしている。
○心臓のポンプ機能が低下した状態の事を「心不全」という。
●心不全の症状
1)心臓(ポンプ)の出力低下による症状
○疲れやすい、頻脈、動悸、息切れなど運動能力の低下
2)肺のうっ血による症状
○呼吸困難、起座呼吸、咳、痰(ピンク色の泡状の痰)
3)腎臓のうっ血による症状
○尿量が減り、体重が増える。
4)消化器のうっ血による症状
○食欲低下、吐き気、お腹の張り
5)全身のうっ血による症状
○体のむくみ
●心不全の重症度(NYHA分類)
○NYHA I~IV度
I度が軽症で、IV度が重症
●心不全の原因となる病気
1,心筋不全によるもの
1)心筋自体の障害
○心筋梗塞、心筋症、心筋炎、老化心
2)全身の低酸素に続発するもの
○貧血、慢性の肺疾患など
3)全身のホルモン、代謝異常
○甲状腺機能亢進症、低下症、脚気など
2.機械的障害
○心臓弁膜症
「○○弁閉鎖不全症」
「○○弁狭窄症」
○先天性心疾患(生まれつきの心臓の病気)
○心臓を包む膜の病気
「収縮性心外膜炎」
「心タンポナーデ」
「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしています。
で、そのポンプの機能が低下した状態が「心不全」です。
「心不全の症状」として、疲れやすさや、息切れ、動悸、
呼吸困難、咳、痰などがあります。
心不全の原因となる病気には、心筋梗塞、心筋症、
老化心など、心筋そのものに原因がある病気。
そして、貧血や慢性の肺疾患などに続発するもの。
甲状腺機能低下症や亢進症、脚気などホルモンや代謝が
原因となるものや心臓弁膜症、心臓の周りを包む心膜の病気、
生まれつきの心臓の病気等がある、って話でした。
随分長くなっちゃったけど(笑)
今日も、心不全の原因となる病気の続きです。
●心不全の原因となる病気
2.機械的障害
○高血圧
老化心のところでも、ちらっと書きましたけど。
高血圧っていうのは、心臓が血液を送り出す時の圧力が
ずーっと高い状態だ、って事です。
血圧がずーっと高い病気が高血圧ですからね。
そういう状態が続くと、心臓っていうのは、心筋っていう
筋肉でできているわけですから。
心筋(筋肉)が鍛えられちゃうんですよ。
鉄アレイを何回も持ち上げたら、腕の筋肉が太くなりますよね。
あれと同じで、負荷が強い状態が続いていたら、
心臓の筋肉(心筋)も鍛えられちゃうんですよ。
心臓の場合は、腕のように太くなるんじゃなくって、
心臓の筋肉が厚い、「心肥大」という状態になります。
そうなると、心臓が広がりにくくなっちゃいます。
新しい風船のゴムは硬くて、膨らみにくいですよね。
風船のゴムが厚かったら、膨らみにくいのと一緒で、
心臓の筋肉がぶ厚いと、心臓が広がりにくくなります。
こういうのを専門用語で「拡張不全」って言います。
で、結果として「心不全」になる場合があります。
3.不整脈
不整脈っていうのは、その名の通り脈が不整になったり、
脈が速くなったり遅くなったりする病気の事です。
AED(自動体外式除細動器)なんかが普及して、
「心室細動」とか、「心室頻拍」っていう、突然死を起こすような
危険な不整脈は有名になりましたけど。
心室細動や心室頻拍は、何秒とか何分で血圧が下がったり、
下手したら死んでしまう恐ろしい不整脈なので。
厳密に言うと、心不全と少しは関係あるんですけど、
今回の心不全では、省いていきましょう。
1)長期の徐脈
○洞機能不全症候群
○完全房室ブロックなど
「徐脈」っていうのは、「脈が遅い」っていう事です。
ずーっと脈が遅いと、心臓が血液を送り出す量が少なくなるので。
結果として、「心不全」になる場合があります。
心臓っていうのは、心筋の塊でできているものなんですけどね。
血液を体中に送り出すためには、心臓の筋肉が
「規則正しく」拍動しなければならないんですよ。
心臓の筋肉そのものは動いているけど、血液を送り出せない状態
っていうのは、「心室細動」っていう不整脈の状態と同じですから。
そういう状態が何分か続いたら死んでしまいます。
で、心臓が拍動するために、「洞結節」っていうところから、
心臓そのものに「電気刺激」が与えられて。
そいで、心臓が拍動するんですよ。
その心臓を動かす為の命令を出す「洞結節」っていうところが、
いかれてしまって。
上手く刺激を出すことが出来ない病気。
その事を「洞機能不全症候群」って言います。
心臓が動け、って命令を出す事が出来ない状態なので。
脈が遅くなって、血液を十分に送り出せなくなって、
結果的に「心不全」になる事があります。
「完全房室ブロック」っていうのは、心臓に動け、
って命令を出す「洞結節」は正常なんだけど。
それを伝える「伝線」が切れちゃった病気の事です。
命令は出るけど、心臓の先まで伝わっていないので。
この場合も、脈が遅くなって「心不全」になる事があります。
2)長期の頻脈
○心房細動
○発作性上室性頻拍症など
医学用語で脈が速いことを「頻脈」って言います。
心房細動というのは、脈が乱れるタイプの不整脈です。
長嶋監督が心房細動で、脳梗塞になったのが有名かな!
心房細動の場合は、脈が速くなる場合と、遅くなる場合があって、
どっちのタイプでも心不全になる可能性があります。
「発作性上室性頻拍症」っていうのは、脈のリズムは、
不整じゃなくって整っているんですけど。
心拍数が一分間で160とか200とか、
すごく速い脈を打つ事があります。
心臓っていうのは、収縮して、その後に拡張して、
また収縮、拡張を繰り返して血液を送り出すんですけどね。
あんまり心拍数が速すぎると、十分に収縮も拡張もできなくなって、
結果的に十分に血液を送り出す事ができなくなり、
心不全になる場合があります。
これは、「心房細動」でも、「発作性上室性頻拍症」でも、
その他の不整脈でも同じ事が言えます。
って事で、今日は「心不全の原因となる病気」についてでした。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきますね!
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【今日のまとめ】
●心不全の原因となる病気
2.機械的障害
○高血圧
1)長期の徐脈
○洞機能不全症候群
○完全房室ブロックなど
2)長期の頻脈
○心房細動
○発作性上室性頻拍症など
参照:「札幌厚生病院循環器科」:心不全とその治療
http://www.gik.gr.jp/~skj/chf/chf.php3
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