脳梗塞5、脳梗塞の治療(急性期)
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◆ やぶ医師のひとりごと 第 53 号 ◆
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H19年1月5日発行 購読者数 8620名
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<本日のテーマ> 脳梗塞5
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脳卒中シリーズの脳梗塞について。
先週までのまとめ。
●脳梗塞とは
「脳に行く血管」が「詰まる」病気。
●脳梗塞の種類
1)ラクナ梗塞
2)アテローム血栓性脳梗塞
3)心原性脳梗塞
●脳梗塞の症状
□片麻痺(半身が動かなくなること)
□失語症(言葉がしゃべれなくなること)
□意識障害
□頭痛、吐き気は、ない事も多い。
●脳梗塞の前駆症状
1.食事中にはし(箸)を落とす。
2.言葉が出てこない。
3.片側の手足がしびれる。
4.ものが二重に見える、片方の目が見えにくい。
5.パピプペポ・ラリルレロがはっきり言えない。
6.目の前が暗くなる。
7.ふらっとする、ふわっとする感じ
そういった症状が数分~数十分間続く。
●脳梗塞の治療1
○血栓溶解療法
「脳に行く血管」に血が詰まったら、すぐに溶かす治療。
脳梗塞になってから3時間以内でしか、できない治療なので、
「脳梗塞の症状」を疑うような症状(片麻痺、 失語症、
意識障害など)が出たら、すぐに病院に連れて行く。
「脳梗塞」っていうのは、「脳に行く血管」が詰まる病気です。
そして、その結果、片麻痺、失語症、意識障害なんかの
症状が出るんですよ。
それで、脳梗塞の治療で一番良いのは、
「脳に行く血管」に血が詰まったら、すぐに溶かす治療。
というのが、先週の話でした。
そいでもって今日は、脳梗塞の治療の続きです。
●脳梗塞の治療2
○脳のダメージを少なくする治療(内科的治療)
脳梗塞の超急性期(3時間以内)では、血の固まりを溶かして、
血流の再開、脳循環の改善を目指すのがベストなのですが。
3時間以上経ったとか、年齢や出血のリスクが高くて、
この治療ができないって場合でも、別の治療があるんですよ。
「脳出血」のところでも出てきましたが。
最近購読を始めた読者の方も多いようなので、まずは復習。
「脳」というのは、非常に大事な臓器なので。
「頭蓋骨」で、周りが、がっちり守られています。
「脳みそ」って俗称がある位ですから。
脳っていうのは、やわらかいんですよ。
で、普通「腕」とか「足」とかをぶつけたら、
内出血して腫れてきますよね、ぷくーっと。
でも、脳の場合は血が出ても、頭蓋骨で
がっちり固定されているので、膨らむ所がないんですよ。
通常の場合は、頭蓋骨で脳をがっちりガードしてるんですが、
出血や梗塞で、脳が膨らんで来たら(脳浮腫)、
頭蓋骨のせいで、それ以上膨らむ事ができなくなっちゃって、
他の脳を圧迫する事になって、非常に困っちゃうんですよ。
そいで、本題。
脳梗塞で「脳」にダメージをくらってしまうと、
2~3日後に一番膨らんでひどくなって、
だいたい、1~2週間続くんです。
で、これをそのまま放っておくと、脳にかなりのダメージが
与えられちゃうんですよ。
脳に行く血の固まりを溶かして、血液を流す事はできなくても、
脳の膨らみを少しでも抑えて、脳のダメージを抑える治療。
こういう、「脳浮腫」を抑えるような点滴を1~2週間続けます。
無理矢理専門用語を用いると、「抗脳浮腫療法」と言います。
それとほぼ同時に、脳梗塞になって1~2週間位、
脳の循環を良くするような点滴や、
脳の神経細胞を保護する点滴なんかもします。
○外科的治療
脳梗塞の治療は、基本的には内科的な治療が行われます。
脳梗塞になってすぐ(3時間以内)であれば、ベストなのは、
脳に行く血管の血の塊を溶かす治療。
これも、内科的な治療ですし。
それができない場合は、脳のむくみをとったり、循環を良くしたり、
脳を保護する点滴をしますが、これも内科的な治療です。
でも、脳のむくみが、ものすごくひどくて、点滴だけでは無理。
って時もあるんですよ。
そういう時には外科的な治療(手術)をする時もあります。
この手術を、「減圧開頭術」って言います。
ま、簡単に言うと、「頭蓋骨の一部を切って、はずす手術」です。
脳が一時的に膨らんでいる間だけ、一時的に頭蓋骨をはずして、
脳浮腫のピークがすぎて数週間経ったら、頭蓋骨を元に戻します。
その間、取り外した頭蓋骨は零下70度の冷凍庫で保存しておきます。
その他に脳梗塞の手術として、動脈に詰まった血の固まりを取り除く
手術や、血液の不足した脳に対する血管のバイパス術もあります。
という事で、今週は脳梗塞の急性期の治療についてでした。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきます。
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【今日のまとめ】
●脳梗塞の治療2
○脳のダメージを少なくする治療(内科的治療)
△脳梗塞後に、脳の膨らみを少しでも抑えて、
脳のダメージを抑える治療(点滴)。
△脳の循環を良くする治療(点滴)。
△脳の神経細胞を保護する治療(点滴)。
○外科的治療
△脳がむくんでいる間、一時的に頭蓋骨の一部を切ってはずす手術。
△動脈に詰まった血の固まりを取り除く手術。
△血液の不足した脳に対する血管のバイパス術。
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