脳出血4、脳出血の治療
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◆ やぶ医師のひとりごと 第 48 号 ◆
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H18年12月1日発行 購読者数 7622名
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<本日のテーマ> 脳出血4
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脳卒中シリーズの脳出血について。
第一回は脳出血という病気について。
第二回は脳出血の原因について。
第三回の前回は脳出血の予防についてでした。
前回までの復習。
●脳出血とは
脳の内部で細かく枝分かれした細い動脈が
破裂して出血を起こす病気。
●脳出血の症状
気分不快、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、失禁。
重症の場合には、昏睡状態になり亡くなる事もある。
半身麻痺(顔や手足)、言語障害、感覚の麻痺や過敏症、
意識障害などの後遺症が残ることもある。
●脳出血の原因
最も多い原因は高血圧。
それ以外に脳動脈瘤、脳動静脈奇形などもある。
●脳出血の起きやすい状況
血圧の変動しやすい、日中の活動時に起きることが多い。
具体的には
■仕事中にストレスがかかり血圧が急激に上昇した時
■階段を上っている時など、運動中
■暖かい部屋から寒い所へ移動した時
■興奮した時
■食事中
■トイレで力んだ時
など
○脳出血の予防法
●塩分を控えめにする(1日に10g以内に)。
既に高血圧の診断がついている人は、塩分を6g以内にする。
●ナトリウムの排泄を促すカリウムを多く含む食品
(りんご、枝豆、バナナ、カボチャなど)を積極的に摂る。
●血圧を下げる作用があるといわれるカルシウムを豊富に含む食品
(乳製品など)、マグネシウムを豊富に含んだ食品
(焼きのり、昆布、ごまなど)を食べる。
●アジやサバ、イワシなど青背の魚に多く含まれるEPA
(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)
などの不飽和脂肪酸を積極的に食べる。
●動物性脂肪やコレステロールを多く含む食品を控えめにする。
など、動脈硬化を進ませない為の食品も摂る。
●お酒は飲みすぎない(日本酒なら1合、
ビールなら大瓶1本、ウイスキーならダブル一杯)。
●適度な運動など日常的に積極的にからだを動かす。
●太り過ぎに注意する。
●充分な睡眠と休養でストレスを解消する。
●禁煙する。
●急激な温度差は血圧に大きな影響を与えるので注意する。
「脳出血」というのは「脳に行く血管」が破れて出血する病気です。
そして、脳出血の原因として最も多いのが高血圧です。
ですから、脳出血を予防するには、高血圧を予防する、
すなわち、食事・運動療法が重要だ、という話でした。
では、残念ながら脳出血になってしまったら。
ということで、今日は脳出血の対処、治療についてです。
「脳出血」という病気だと診断するためには、
頭のCTやMRI等の検査をしなければわからないので、
脳出血になったらどう対処する、っていうのは
厳密には違うんですけどね。
まあ、脳出血が疑われたら、どうするかって事について、
ちょっと書いていきますか。
●脳出血が疑われた場合の対処
脳出血の症状というのは、
気分不快、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、失禁、
半身麻痺(顔や手足)、言語障害、昏睡状態。
という事でしたから。
頭痛やめまい、吐き気といった症状は、
脳出血以外でも、なりますよね。
「風邪」でもなるし、極端な話、「二日酔い」でもなりますから。
だから、それだけじゃなくって、
右手、右足だけ動かない(半身麻痺)とか。
「ろれつ」が回らないとか。
そういった症状が突然出現したら。
「脳出血」等の頭の病気が疑われます。
「脳梗塞」なんかもそうなんですけどね。
脳梗塞の場合は、頭痛はない事が殆どですけど。
そいで、意識も悪くなったりなんかしたら、
これは、脳出血等の頭の病気が非常に強く疑われます。
そしたら、まず
「救急車を呼んでください」
これが、一番大事です。
そして、落ち着いてどういう状態なのかを
電話で伝えてください。
まず、意識がどうなのかを確認します。
具体的には、
呼びかけに反応するか。
呼びかけに反応しないなら、叩いたり、つねったり
してもそれでも反応するかしないか。
意識があるなら、麻痺があるかないか。
言葉がはっきり話せるか。
そういった事を出来れば具体的に伝えてください。
そして、衣服やベルトを緩めてあげてください。
嘔吐しているなら、横向きにしてあげてください。
仰向けのまま嘔吐をすると、吐いたものが気管に入って、
呼吸が出来なくなっちゃうので、横を向かせて、
吐き出させるようにしてあげてくださいね。
学生時代、運動部だった人は、そういうのに
慣れているかもしれませんね(笑)
麻痺があるかどうかってのは、手を握って貰ったり、
両手を上げて貰って、そのまま維持できるかどうか、
っていうのをみればわかるんですが。
まあ、ここまでやってくれなくても良いんじゃないですかね。
明らかに片側だけ手や足が動いていなければ、
片側だけ動いてないって伝えてくれれば、それで十分です。
そして救急車で病院に運ばれて、頭のCTを撮って。
そこで「脳出血」と診断されます。
その後、治療が行われます。
あんまり細かい話をしてもしょうがないので、ざっと。
●脳出血の治療
○薬物療法
出血が軽度の場合は、内科的に治療します。
使う薬は止血剤、降圧剤、抗脳浮腫剤等です。
「脳」というのは、非常に大事な臓器なので。
「頭蓋骨」で、周りが、がっちり守られています。
「脳みそ」って俗称がある位ですから。
脳っていうのは、やわらかいんですよ。
で、普通「腕」とか「足」とかをぶつけたら、
内出血して腫れてきますよね、ぷくーっと。
でも、脳の場合は血が出ても、頭蓋骨で
がっちり固定されているので、膨らむ所がないんですよ。
通常の場合は、頭蓋骨で脳をがっちりガードしてるんですが、
出血や梗塞で、脳が膨らんで来たら(脳浮腫)、
頭蓋骨のせいで、それ以上膨らむ事ができなくなっちゃって、
他の脳を圧迫する事になって、非常に困っちゃうんですよ。
○手術
軽い場合は、脳浮腫を軽減する薬の治療で良いんですがね。
大きい出血の場合は、頭蓋骨をはずして、
吸引機で血の塊(血腫)を取る手術をします。
頭蓋骨をはずす手術ですから、大手術です。
そして、それよりも負担が軽いって事で、
最近ちょっと注目されているのが、内視鏡手術です。
どんな手術かっていうと。
患者の頭に10円玉程度の大きさの穴を開けて。
この穴に内視鏡をいれて手術をするんですよ。
そして血の塊(血腫)を加熱装置のついた吸引器
を使って吸引して。
そいで、そのあと動脈を焼いて、
これ以上出血しないようにします。
同時に出血が起こったまわりも焼いて手術は終了です。
頭蓋骨をがばっと、取っちゃう開頭手術に比べて、
切る範囲が小さく、手術時間も早い内視鏡手術は
患者への負担が少ない手術なんですよ。
そして、脳出血の場合、問題になるのは、後遺症です。
半身不随や言語障害などの重篤な後遺症を軽減するために、
リハビリテーションを行うことが必要になります。
本当は、リハビリには、かなりの時間がかかるんですけどね。
厚生労働省の医療費削減政策のせいで、
リハビリテーションにも、期限がついてしまいました。
非常に残念です。
という事で、今週は脳出血の対処と治療についてでした。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきます。
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【今日のまとめ】
●脳出血が疑われた場合の対処
まず、「救急車を呼ぶ」
そして、落ち着いてどういう状態なのかを電話で伝える。
その後、衣服やベルトを緩める。
嘔吐しているなら、横向きにする。
●脳出血の治療
○薬物療法
○手術
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